育て上げブログ

2018年06月29日

生きづらい子どもたちのためにできること


毎日のように報道される子どもの虐待やいじめ、そして凄惨な死。自分たちで考え、行動することができない年齢の子どもたちが、私たちの社会が抱える「不十分性」によって苦しんでいます。 
先日あげた下記の文章は多くの方々に読んでいただけました。大量の痛ましい事件や事故の被害者である子どもたちのため、多くの心を痛めるひとたちが、直接的でなくても何かできることがないかともがいているのだと思います。  

子どもの命を守るために、私が、みんなが、私たちができること。(工藤啓) - Y!ニュース  
 
私たち育て上げネットにも、「まなびタス」という子どもたちに学習とさまざまな経験機会を提供する事業を通じて、生きづらい子どもたちが集まっています。 
そこには命に係わるリスクを潜在的に持っている子どももいれば、クラスメートや同級生が「あたりまえ」にやっていること、できていることが、あたりまえでない家庭環境において、未来や将来の自分だけでなく、いまの自分にもあきらめざるを得ないところまで追い込まれています。 

ただ、彼らはそれを大人に、友人に悟られないよう、強がってみたり、望んでいないフリをして、本心を押し殺して生きています。職員と二人になったとき、ポロっとそんなことを言います。 
そして、私たちは「それは仕方ないよね、たまたま生まれた家庭がそうだったんだから」とは言いたくない。彼らが排除されている「あたりまえ」を提供することによって、彼らにも「あたりまえ」が家庭でなくても、誰か見知らぬひとから提供されることで、いまの自分と未来の自分に前向きになってほしいと願っています。 

そんな子どもたちのため、3つのお願いがあります。  

[1] 一緒に子どもたちを支えてください 

 「あたりまえ」が未来を創る。子どもたちの自立を1年かけて「しっかり」応援したい - CAMPFIRE(キャンプファイヤー)  

現在、私たちはクラウドファンディングを通じて、ともに「あたりまえ」を子どもたちに届けてくださる仲間を募っています。実際にどんな「あたりまえ」を子どもたちが欲しているのか。それを享受できたとき、子どもたちはどう変わるのか。 
子どもたちと毎日のようにかかわる職員たちが、現場の最前線で変わっていく子どもたちの姿を文章に残しています。ぜひ、サイトを見ていただけないでしょうか。そして、子どもたちをともに支えていただけないでしょうか。 

 [2] 一緒に子どもたちのために走ってください 

僕は走るのが苦手です。身体能力は低く、身体ひとつで競い合うことに苦手意識があります。サッカーというボールを使った競技を続けているのも、その理由が大きいかもしれません。 
いまは毎年フルマラソンを二回走っています。ひとつは11月の大阪マラソン、もうひとつは3月の東京のマラソンです。どちらも国内屈指の大きな大会です。そして、スタートからフィニッシュにいたる42.195kmを走り切るのに、ずっと笑顔というわけにはいきません。 
それでもポジティブにチャレンジできるのは、それが「チャリティランナー」であり、チャリティを通じて、若者や子どもたちに多様な機会を提供することができるからです。僕のフルマラソンを通じて若者たちを支えてくださる寄付者にも、僕の42.195kmを見て子どもたちを守ってくださる寄付者にも、一緒にチャリティランナーとして若者、子どもたちのために走ってくださるランナーにも感謝をしながらチャレンジを続けることができています。  

毎年、沿道にはたくさんの応援者、そのなかにはチャリティによって支えられている若者や子どもたちも声援を贈ってくれます。誰かに直接的に応援されて走ることがでる、それは自分にとってかけがえのない体験として心に蓄積されています。 
普段からジョギングやマラソンを楽しまれている方々は「チャリティランナー」として、抽選とは別に走ることができる仕組みをご存じでありません。また、育て上げネットは認定NPOのため、寄付控除の対象であることもあまり知られていません。それは個人でも、企業でも利用可能な制度です。
毎年、大阪も東京もたくさんの方々が「チャリティランナー」としてフルマラソンにチャレンジし、若者や子どもたちに機会を提供してくださっています。大阪マラソンはエントリーが可能です。東京のマラソンも7月2日よりエントリーが開始されます。 

自分のためはもちろんですが、未来の日本を背負う若者、子どもたちのため僕と一緒に走ってくださると嬉しいです! 

[3] ご家族やご友人、同じ時代を生きるひとたちに伝えてください 

最後に、直接的に生きづらい子どもたちと接するのが難しく、ご寄付やチャリティ活動のための時間を作ることができなくても、生きづらい若者や子どもたちがいることや、彼ら、彼女らを支える方法は上記以外にもたくさんある、ということをぜひ伝えてほしいです。 

働けない若者について、厳しい環境で生きづらさを抱え、ときに命を落とすこともある子どもたちについて、たくさんの情報が流れていますが、それを聞いたとき「自分は何ができるだろうか」と誰もが迷います。そんなとき、信頼できる家族や友人からの情報は、ひとつのアクションを取るには十分な信頼の輪となって、広がっていきます。 
直接の知り合いでなく、「〇〇さんから聞いた」「紹介を〇〇さんからしていただいた」ということで、ご寄付や直接のかかわりをしてくださる方が毎年たくさんいらっしゃいます。私たちだけではなかなか情報を届けることができません。

ぜひ、みなさんのお時間を少しいただきまして、「こういう活動がある」ことや、「こんな若者、子どもたちがいる」といったことを広めていただけましたら幸いです。
 


 育て上げネット
理事長/工藤啓


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