育て上げブログ

2018年03月02日

フルマラソンっていいことあるの?


男児四人(双子込み)がインフルエンザを回避して一冬を終えようとしている工藤です。ここまで社会的にインフルが蔓延すれば、逃れる術もなく家庭内パンデミック必至でしたが、規則正しい生活とあれこれ工夫をして栄養の偏りをなくす妻への尊敬と感謝しかありません。そんなこと言ってると感染したり怪我したりするんですけど・・・

さて、2月末にフルマラソンに参加しました。寄付先団体である育て上げネットの代表として42.195kmを怪我無く完走することができました(3時間44分でした)。当日に至るまで社内外の多くの方々からご寄付や声掛け、そして当日の沿道応援をいただき、心から感謝申し上げます。

僕としては今回6回目のフルマラソンチャレンジでした。いずれも寄付先団体として採択いただきました大阪で4回、東京で2回です。毎回、新しくチャリティランナーとして名乗りを上げてくださる友人もおり、申請日が近づくと何となく避けられている気もしないでもないですが、引き続き、「若者、子どもたちのために走ってくれませんか?」とお声かけしていきます。

そこで、そもそもフルマラソン走っていいことあるのか?ということを簡単にまとめます。あくまでも僕がチャリティランナーとして走った経験限定です。

子どもに褒められる

先日のピョンチャンオリンピックで、たくさんのアスリートがメダルを獲得されました。子どもたちにとっても努力を重ねたアスリートの競演は心に響くものがあったようです。特にソファーや椅子からのジャンプにひねりが加わったことが印象的です。

フルマラソンは走り終えると金メダル(のように見える)をもらえます。工藤家には現在金メダルが6個あり、それは長男と次男の誇りでもあります。昨日、帰宅したとき子どもたちは寝ていたので、無造作に、そしてさりげなくテーブルの上に置いておいたところ、子どもたちが目を輝かせて「パパ、金メダルだね!」って褒めてくれました。2分後くらいには取り合いの喧嘩をしてましたけど(人間って・・・)。

子どもたちにとって「金メダル」はとてもわかりやすい頑張った証なんですね。3万人を越すランナーの中にパパやママがいるだけで、オリンピックに出場しているのと同じような印象になるみたいです。

人体の不思議を体感できる

正直、僕は応援の効果というのは限定的なものだと考えていました。どれほど頑張れといわれても走るのは自分であり、実際に身体が声に押されることはありません。しかし、そんな中二みたいな考え方では説明できないことがたくさん起こります。

普段のジョギングでは出せないタイムが普通に出ます。僕の場合、普通であれば1km5分ちょっとくらいで走ります。少し速度を挙げれば4分45秒くらいですが長くはもちません。一回10kmくらいが多いのですが、最後の1kmとか2kmに出すくらいです。

しかし、実際に大声援のなか、大会で走ると普通に4分台後半くらいで長く走っています。いつもと同じペースで足を動かしているにも関わらずです。自制しようにもできていないので後半に息切れするということもありますが、普通に走っているのに速くなってしまう。

これは心の問題なのか、身体の問題なのか、どういう効果なのかはよくわかりません。研究成果のようなものを読めばやんわりわかっても、やっぱりそれが自分自身に降りかかったときに納得解にいたらず、人体の不思議を体感せざるを得ません。

新たなつながりが生まれる

これは抽象的な意味でのつながりではなく、具体的な関係性の構築を意味します。「新たな」というのは、初めてのひとと知り合うということでもありますが、自分のいまの関係性の広がりと動きのなかで接点を持ちえないひとと出会えることをさします

人間はどうしても選択のなかに意識が入ります。これまで読んだことのない本を探しに本屋をぶらついても、まったく興味のないコーナーはスルーしがちです。たまに僕は本屋に入る前に「壁から何番目の棚の、上から三段目、右から二冊目を買う」という自分ルールで書籍を買うことがありますが、そうなると偶然性が高まります。レジに持っていくのがはばかられる書籍に出会ってしまうこともあります・・・

ネットなどでの呼びかけは別にして、どうしても「一緒に走りましょう!」と声をかけるのはいますでに関係性ができている友人や知人からとなります。そこに新たな関係性はないです。ただし、関係性が深まるという効果はもちろんあります。しかし、少なくない形で声をかけた方々が、僕の知らない素晴らしいひとたちを巻き込んでくれるんですね。これが本当に嬉しいし、逆に巻き込まれた方にとっても僕は同じように偶然出会った人間になります。

今回、盟友の林田暢明さんが走ってくれました。博多のBarで夜中の三時の決断とゴールまでのストーリーが詳細に描かれています。文才がめちゃくちゃある方なので、単純に読むだけで感動と笑い、なぜか僕が悪役っぽいわけですが、こちらを読んでいただくとひとがつながっていく様子がわかるのではないかと思います。

その他、アンバサダーを引き受けてくださった宮本聡さんが、一般当選で走る友人弁護士の石橋京士さんを巻き込み、なぜか三名でタイムアタックとなり、それまで僕が持っていた最高タイムをお二人ともさらっと抜いて(3時間30分を切る)、僕はビリになりました。

もちろん、それ以外にも得られるものはたくさんありますが、自分ひとりであればリタイアしても誰にも何も言われませんが、周囲に伝えている以上、応援してもらっている以上、最後までやり抜くこととなり、最後までやり抜くことができた、という経験も、この歳になると多くはないため、部活っ子に戻ったなつかしい感じもまた毎回のフルマラソンで得られる資産です。

そして何より健康体に近づくきっかけというのも。何もせずにフルマラソンは危険なので、練習会をしたり、自分でジョギングしたりします。一か月で30kmとか80kmとか走るわけですが、僕を含めてジョギングが趣味でない限り、なかなか月に数十キロ走ることはありません。走れば疲れますし、疲れるからよく寝ます。ご飯もおいしかったりします。体重も自然に落ちて筋肉もつく。健康生活の方はより健康に、僕のように不健康的な人間も健康に近づくことができます。

今回、僕ら育て上げネットは同じ寄付先団体の認定NPO法人カタリバの皆さんと合同練習を企画したり、共同イベント、そして沿道応援でも合流しました。単体の団体で掲げられるのぼり旗の数は限られ、応援団も何十か所も設置できません。しかし、二つの団体が協力すれば応援量は二倍になります。

まさに、いただいたこの写真はそれを象徴しています。カタリバさんの旗、その奥の手袋は育て上げネットの職員、そして疲労困憊の僕ですが、こういう素敵な一枚の裏にはそれぞれの団体の担当者同士が誰のために何をすべきかを突き詰めて考え、実行してくれたからに他なりません。そういう志の高いお二人にも心から感謝します。


そ・し・て!

東京マラソンが終わりました。次は第八回大阪マラソン(2018年11月25日)です!今年も寄付先団体に採択いただきまして、チャリティランナーのお申込みは4月6日からの予定ということです。

正直一か月くらいは考えたくない感じもありますが、さりとて、一度大阪マラソンでチャリティランナーをやってみると・・・。それくらい充実し、恵まれた環境で走れることに驚かれると思います。

「チャレンジしてもいいよ!」という方がいらっしゃいましたら、ぜひ、ご連絡ください。「何がすごいの?」ということにも、四回連続で参加した僕なりの観点でお答えいたします。

最後に、今回の応援、重ねて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。まだもう少しだけ下記から「お疲れ!」の寄付が可能です。僕が何のために走ったのか、についてもお読みいただけるだけでもうれしいです。寄付は僕ではなく、育て上げネットに入り、子どもたちの学びや多様な機会となります。よろしくお願いします。

https://www.runwithheart.jp/charity_sheet?id=6182

育て上げネット
工藤 啓


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