育て上げブログ

2021年06月26日

ゲームは現実社会との仲介役…?


 

――不登校の子どもが、家にひきこもってゲームばかりで孤立しています。このままでは将来が不安です。

こんなご相談をよくいただきます。
一方、わたしたちが出会ったゲーム好きの若者に聞くと、ひきこもっていた当時こんなことを考えていたそうです。

「ゲームのおかげでつらくしんどい気持ちから逃避できて、生き延びることができた。自分にとっては、大切な居場所だと思っていた。でも、ゲームに没頭して現実世界の嫌な人間関係を切ったつもりでも、なぜか虚しさは埋めきれなかった。もう飽きたなと思っても、他にやることがないからとりあえずゲームをやっていた。」

はたから見ると、ひきこもってゲーム漬けの日々は社会から孤立しているように見えますが、実際のところそういうわけでもないようです。ゲームのなかにはで、小さな社会が築かれているそうです。

オンラインゲームでは、学校では決して知り合うことのなかった会社員や主婦、大学生、会社経営者などとの出会いがあります。ゲーム社会には、仲間同士の作法やルールがあり、自分勝手に振舞う人は注意されることもあれば、ルール違反をすると仲間から外れなければならない内規のようなものもあるそうです。なかなか厳しい社会のようです。

逆にその一方で、良いプレイをしたとき時には、仲間から「なかなかやるな」と承認されたり、一目置かれて大事にされたり、現実の社会よりも、より丁寧に人間関係を築きながら、コミュニケーションを教わることができるそうです。

また、オフ会(実際に対面で会うこと)でゲーム仲間と会うことでよい刺激を受けることもあります。それをきっかけに、再び学校に通い始めた方や、ゲーム音楽をつくって自立した方もいます。このように「ゲーム=孤立」ではなく、現実社会との仲介をしていることは少なくありません。

こんな話を聞くと、「うちの子もゲームが仕事につながれば…」と考えたくなりますが、そこまでいくのはなかなか厳しいものです。まずは人間関係を学び、世界が広がる場として捉えてみると、ゲームも悪いことばかりではないかもしれません。

ただし、ゲームにのめりこみ宿題しないとか、寝食がおろそかになることがあれば、軌道修正が必要です。親子の間に亀裂がはしることもあるでしょう。依存を疑われるときには、医療につなげる必要もあるかもしれません。

しかし闘うときに「ゲームを悪者にしないこと」だけは、忘れないでいただきたいです。
「うちの子が熱中しているゲームは、どこに魅力があり、夢中になっているのか?」ということに焦点をあて、興味を持って親が子どもに尋ねてみる余裕を持つことが必要です。

子どもの将来相談窓口「結」では、親子で大切なことを話し合う時に、有効な5つのコツを推奨しています。
① 子どもの話を遮らないで聴く
② 興味を持って聴く
③ 秘密は守る
④ パスあり(話したくないことは、お互いにパスしても良い)
⑤ 子どもの話は、確認する(受け止め方がズレる場合があります)

このようなコミュニケーションできていると、子どもはわかってもらおうと話を続けることができます。

親側の気分が比較的安定しているときに、子どもに「このゲームはどんなゲームなの?」「あなたが夢中になっているゲームは、どんなところに夢中になるのか、気になっているのよね。」と聴いてみるのはいかがでしょうか。仲間とゲームしている時に、おやつを差し入れながら「楽しさ」について聴いてみることも一案ですね。

それでも、ゲームのことをひとりでモヤモヤ考えすぎると参ってしまうので、第三者を利用して相談するのも、大事なことです。そのお気持ちを、わたしたちに聞かせてくれませんか?いつでもお待ちしています。

子どもの将来相談窓口「結」 蟇田

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