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2014年07月13日

2014.7.13 読売新聞に掲載いただきました。 


本よみうり堂
「無業社会 働くことができない若者たちの未来」
工藤啓、西田亮介 著

評・開沼博(社会学者 福島大特任研究員)
かつて、若い人の貧乏は「美徳」だった。経済成長の時代、若年者は「いつか必ず豊かになるはずの存在」だったからだ。だが、時代は変わった。本書は、若年者を、高齢者、障がい者などと同様「社会的弱者」として捉える必要があると言う。
現在、多くの若年者が働く・働き続けるこをからはじき出されて「無業」にならざるを得ない状況にある。日本における若年無業者は200万人を超えている。学校を出て、就職しようにも就職できない。就職しても、強引な働き方を強いられ退職に追い込まれる。世間は彼らを、「怠け」「考えが甘い」と自己責任論で語ってきた。だが、雇用の不安定化、無業者への就労支援対策の不足など、経済・社会的な構造上の問題があることは明白だ。
無業期間が長期化し社会から孤立した若年者は、自身を喪失し精神的不調を抱えながら、無業で在り続ける。彼らが再び元気に仕事を続けられる環境をつくることこそが、日本経済や財政を改善する大きな鍵になるという。人口減少の中で、今後ますます重要な議論となっていくだろう。
(2014年7月13日付 読売新聞より抜粋)

20140713_yomiuri

 


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