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2018年01月31日

湯浅誠さんと何を話そうかつらつら考える 


インフルエンザの猛威から、奇跡的に男児四人(双子込み)とも逃れている工藤家です。誰かひとりが感染すれば、すなわち、四名のインフルエンザっ子の誕生は不可避で、いまだ戦々恐々としています。

今週の土曜日、2月3日(土)14:00から、鶴見中央コミュニティハウスにて貧困問題に詳しい湯浅誠さんと若者の貧困問題について議論します。湯浅さんとは長くお付き合いさせていただいているものの、よく考えると講演やセミナーのような場所でお話するのは初めてではないかと思います。

【2/3】子ども・若者のひきこもりや孤立、困窮をふせぐために私たちができることvol.1

審議会や委員会の場で話を聞いたり、多くのひとが集う場所で意見交換したり、ほとんどの著書を読ませていただいたり。ときには変なタイトルの書評を書いてみたり。

湯浅さんっていつからTシャツを襟付きシャツに変えたんだっけ。

そんな中、今回のセッションは何を議論したいのかをつらつら考えています。僕なりの見方として、以前と比べると湯浅さんは「遅効」であっても、一人ひとりができることをしていくなかで、つらい状況にあるひとたちを包摂し、中長期的な視座で暮らしに安全と安心が生まれるような世界観をイメージしているように思います。

それは精神科医の斎藤環先生が言う「人薬(ひとぐすり)」の概念にも近く、法律や制度の変革以上に、ひとの変化や行動を促すようにも見えています(全然違ったらセッションで突っ込まれるはずです)。

このイベントの主催は、私たちが運営する「よこはま東部ユースプラザ」で、若者の居場所機能を主に担う場所です。就職者数や就労率を目的とする政策的支援機関が多いなかで、そこをゴールとしない稀有な事業でもあります。だからこそ「いますぐ働くに向かいたい」というニーズではない、本当に多様な若者が来所します。

自分たちだけで居場所と出番を作るのではなく、神奈川県立田奈高等学校の図書館を使った居場所「ぴっかりカフェ」を運営するNPO法人パノラマ代表の石井正宏さんに来ていただいたり、地域の方々の力をお借りしたり、区の相談窓口と連携をさせていただいたりしています。

居場所という性質上、即効性を強く求められているのではなく、若者自身もゆるやかな時間軸のなかで方向性を見つけて行こうとしている場合が少なくない印象です。それは湯浅さんが提唱されている(ように感じる)、「遅効」に近い観点ではないかと思います。

ただし、今回のテーマのように「貧困」や「困窮」が入ると、誰もが遅効的であっても暮らしやすい社会になるのを待てる状況ではないことも事実です。そのためには存在しても使いづらい制度や政策は運用面を含めて変えていかなければならず、必要なものがないということであれば作っていかないといけません。

この即効性と遅効性は当然どちらも重要で、どちらかから始めないといけないというものでもありません。どちらもやらなければならず、そのとき、個人や法人問わずに役割や価値観が行動に表現されるものです。

本来、社会に十分なリソースや余裕、仕組みなどがあれば、誰にとっても暮らしやすい社会があり、その「困り方」に合わせて解決手段が準備されているはずです。しかし、そうでない現状では、即効性と遅効性を併せ持った「場」の運営は簡単でなく、公民限らず、両立した「場」の形成には少なくない課題が存在します。

それはお金であったり、ひとであったり、情報であったり、時間や場所、ステークスホルダーによって変わります。湯浅さんは政治や行政、アカデミックな世界に足をかけながら、全国各地の取り組みを知る稀有な人物です。もしかしたら、それぞれの立場や環境を知っているからこそ、「こうすればいい」という確定的なことがいいづらいのかもしれません。

即効性の議論に対しては遅効的な観点が出され、遅効性の議論には即効性が必要な場合はどうするのかという疑問が提示されやすく、やもすると「どちらが重要か」という話になりかねません。話の落ち着きどころは「どちらも大切だよね」となり得ます。

今回は”どちらも大切”であることを前提としながらも、ご参加くださる会場の方々の意見を交えて、次の行動と方向性が見えるような話をしてみたいと思っています。もちろん、いつからTシャツを襟付きシャツに変えたのかも(雰囲気を見て)聞いてみようと思います。当日、襟付きシャツで来られなかったらまた考えます・・・

【2/3】子ども・若者のひきこもりや孤立、困窮をふせぐために私たちができることvol.1

 

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工藤 啓


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