かわぐち若者サポートステーション

2016年3月17日

“区切り” を活かした就職支援

学生時代は、学校が用意する「学期」や「定期テスト」といった“区切り”によって、学習や課外活動の目標を立てやすい環境がありました。

 

たとえば、「一学期は宿題を忘れることが多かったので、二学期は忘れないようにしよう」、「中間テストの結果が良くなかったから、期末テストで挽回しよう」などです。また、「冬休みの間だけアルバイトをしてみよう」など、あらかじめ決められた“区切り”を活かして生活のサイクルを考えることができたのです。

 

学校という「場」を出ると、“区切り”が不明確になります。会社などの組織では、その組織ごとに期限(期末や納期)がありますが、学生時代のそれとは異なります。区切りが明確ではないため、「気づいたら季節が変わっていた」、「春までに○○しようと決めていたはずが、いつのまにか夏になっていた」、といったことが起こってしまいます。

 

来所したご本人から、「今年中には働き始めたい」といった目標をよく聞きます。漠然としていても目標を持っていることは素晴らしく、まずそれが大事だと思います。しかし残念ながら、この目標だけでは実現が難しかったり、達成まで時間がかかり過ぎてしまうなどのことが起こりがちです。なぜなら、ゴール設定が遠すぎるからです。

 

3、4月の時点で、半年以上も先の目標を立てた場合、「まだ時間がある」とズルズルと流されてしまうことが少なくありません。その間の具体的な活動内容を定めていないのであれば、なおのことです。「今年中に働き始めたい」を目標にするのであれば、同時にこの大きな目標につながるステップを踏んだ小さな目標が必要です。

 

自分が働き始めるために、いま何が必要で、それをいつまでにどのように行うのか。一つひとつのステップごとに目標を立てることが大切です。そして、小さなステップをクリアするごとに自分の状態を確認します。目標は自分を縛りつけるためのものではなく、あくまで目安とするものなので、状況によっては、より適切な目標を再設定します。

 

たとえば、社会的ブランクが長い方は、①定期的に外出する②その回数を増やしていく③他者とやり取りする機会を増やしつつ、働くために必要なマナーなどを身につける④身につけたことを社会参加活動のなかで実践し経験を積む⑤短期や短時間のアルバイトをする⑥長期や長時間の仕事に移行する、など働くまでのステップをたくさん作り、それぞれに短期目標を設定します。一か月以内に①を行い、その次の二か月で②を終えるといった感じです。

 

このようなステップアップ方式で就職へ向け進んでいくと、大きな目標を達成するまでに多くの成果ポイントを通過します。「社員として就職する」という大きな目標があった場合、週3日のアルバイトは目標未達の状態でしかありません。しかし、ステップアップ方式の通過点であれば、アルバイトを始められたという達成感と、確実に前進している自分を実感できるわけです。この目標の立て方は、仕事を始めた際も役に立ちますし、必要ともいえます。

 

このような目標設定を、最初からご本人だけで的確に実行していくことは難しく、また、達成感を共有できる仲間もいません。かわぐちサポステでは、ステップアップ方式の目標を設定するお手伝いをしています。小さなステップを踏んでいくための各種講座も用意しています。また、保護者相談では、ご本人が就職に向けて進むために、保護者として、いますべきことを見つけるお手伝いをしています。

 

新しいきっかけが生まれやすい春のこの時期、かわぐちサポステで活動を始めてみませんか。

 

 

  

 

 

 

 

 

かわぐち若者サポートステーション
http://www.sodateage.net/yss/kawaguchi/

若者自立支援センター埼玉
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※かわぐちサポステは、埼玉県事業の若者自立支援センター埼玉に併設されているため、

お電話をいただいた際は「若者自立支援センター埼玉です」とお応えしています

 

 

 

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2016年2月18日

かわぐちサポステ利用者インタビュー

 

今回は、ふたりの元利用者さんが、かわぐちサポステを利用していた頃の声をご紹介したいと思います。

※ ご本人たちから掲載の許可を得ています 

 

 

『サポステに来る前は何をしてましたか?』

 

【Aさん】
1年くらい自分なりに就職活動をしましたが成果が出せず、その後、5年くらい何もしませんでした。

 

【Bさん】
僕は中学1年から不登校で。中1のとき以来、人生の半分くらいひきこもり生活でした。少し前、一度働いたんですが1ヶ月で辞めました。

 

 

『サポステに来たきっかけは?』

 

【Aさん】
もう一人では限界、と感じたからです。サポステのことは父から聞いてました。去年の春に知りましたが、秋ごろまで来ることができませんでした。すぐには思い切ることができなかったんです。

 

【Bさん】
僕はフラ~ッと来ました。建物1階のハローワークプラザ川口に来たついでに、3階(かわぐちサポステ)まで上ってみたのがきっかけです。

でも、実はAさんと同じで、これ以上ひとりでいるとダメだと思ってた時に、「仕事の体験とかいろいろできるところがあるらしいよ」と親が教えてくれたんです。

 

 

『かわぐちサポステに来た感想は?』

 

【Aさん】
最初は、「なーにやってんの?」って冷やかす感じでした。その日は、説明だけ聞いて利用登録はせずに帰ってきました。でも、家に戻ってひとりになった時、利用しないとしたら「じゃ、どうすんの?」って思ったんです。「なにはともあれ、やるだけやってみるか」と思うようにしました。流れに乗ってみようかと。

登録後、セミナーなど決まった時間に用事ができたことで生活リズムが変わりました。以前は、昼夜逆転の生活を繰り返していて、それだけでやる気をなくしてましたから、このことだけでもモチベーションアップにつながりました。最近、「元気だった頃の自分」を思い出してきた感じです。

 

【Bさん】
僕は、サポステに来ている人はブランクの長さもそれぞれだったり、中には変わった職歴のある人もいたりと、経歴がバラバラなところが面白いと思いました。

 

 

『サポステ利用を考えている方へ、メッセージをお願いします』

 

【Aさん】
自宅にいた頃は、「答えがないことが答え」と思ってました。最近は、「なにかやらなきゃ、答えもなにもないもんかな」、なんて思い始めてます。少しでも迷ってるのであれば、利用してみたらどうかと思います。

 

【Bさん】
「ニート状態でいるのは自分だけじゃない」と頭ではわかってました。インターネットのおかげで、パソコンの画面を通じて「会話」もできますし。でも、パソコンの前に何年座り続けても、生活が変わることはありませんでした。

僕はやる気がなかったし、働く自信もなかったんですが、サポステでは、ひとりで背負い込んでたものを一緒に持ってくれる人たちがいました。「本当に困っている時に人の助けを借りることは、弱いことではないよ」と言われたことが印象に残ってます。サポステは、復帰のきっかけになる場所だと思います。

 

 

インタビューに応じてくれたふたりのうち一人は、この数ヶ月後、仕事が決まりました。もう一人は、半年間の訓練に参加したのち、仕事に就きました。

 

 

かわぐちサポステの利用を検討している皆さんへ。仕事に就くための「なにか」をここから始めてみませんか。

 

 

 

 

 

 

 

 

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2015年12月23日

体験談:もとは「日々の小さな後ろめたさ」(後編)

前回のブログでは、職場のストレスから開放された若者が、自宅で過ごしているうちに、外出が困難になっていった経緯と、そんなご本人が動き出そうと思ったきっかけをお伝えしました。

 

体験談:「前編」は、コチラ をクリック

 

今回は、ご本人がかわぐちサポステにつながり、就労に至るまでの話をご紹介します。
(ご本人に掲載の許可をいただいています)

  

サポステのチラシに目を通したご本人が、すぐに動き出せたわけではありません。20代後半となり、社会的なブランクがあるご本人にとって、いまの自分と 「働いている自分」には、とてつもない距離があるとしか思えませんでした。しかし、「現状をなんとかしたい」と、もがいているうちにご本人に心境の変化があったといいます。

 

「こうでなければならない」という今までの考えに対して、「いや、そうでなくてもよいのではないか」と考えるようになり、「正社員として就職しなければならない」という強迫観念にも似た思いは、「まずは、復帰のためのリハビリがあってもよいのではないか」と変わっていったそうです。 

 

このとき、ご本人は社会と離れていた自分に「復帰までの3つのルール」を作ったといいます。

 

①イヤでなければ、やってみる
②カッコつけない
③後回しにしない

 

目の前にあるものに対して、「でも、~だし…」などと思ったとしても、イヤである明確な理由がない限り、やってみることにしました。

 

「自分が支援を受けることはカッコ悪い」という気持ちがあったそうですが、復帰のために、まずはここからやっていこう、と心がけることにしました。

 

また、これまで何かを始めるときは、「明日から」、「今度から」と先延ばしにしがちでしたが、やろうと決めたら、とにかく実行することに決めたそうです。

 

 まず、ご本人が起こした行動は、サポステに電話をしてみることでした。まさに決死の思いで、かわぐちサポステに初回登録のための予約電話をしたといいます。予約日に来所できたのはルールが自分の背中を押したんだと思う、と後にご本人から聞きました。

 

かわぐちサポステを初めて訪れたご本人は、かなり緊張した面持ちでしたが、行動のきっかけとなった甥の話をするときには笑顔が見られました。コミュニケーション講座への参加を一緒に検討した際、ご本人が「イヤというわけではないんで、参加してみようと思います」と答えたのを覚えています。

 

いきなり就職準備に向けた講座に参加することは、ご本人に就労への焦りを極度に抱かせてしまう可能性がありました。ですので、負担の少ない少人数のコミュニケーション講座から始め、徐々に就労に近づいていけるようスモールステップを踏んでいき、仕事についてはアルバイトから徐々にステップアップしていく計画を立て、ご本人とスタッフの間で合意しました。

 

そして迎えた講座初参加の日、来所したご本人から不参加の申し出がありました。しかし、ご本人はその場で少し考えたあと、「やっぱり参加します。不安でもイヤではないんで」と言い、その後も継続して講座に参加しました。ここでも、ご本人のルールが自身を支えたのだと思います。

 

講座終了後、ご本人と簡単な話をしました。すると、ご本人は、「ひとりでいた時間が長かったんで、つい自分だけがたいへんなんだと考えてました。それぞれの事情があるんでしょうけど、なんとかしようと考えてる人がこれだけいるんだと思うと、自分も少しずつでもやっていけたらと思いました」と、笑顔で伝えてくれました。

 

その後、ご本人は就職準備のための講座にも参加するようになり、キャリア相談で業種や職種の方向性を相談したり、しごと体験で実際の職場を体験したりと、継続して活動していきました。

 

そんなある日、ご本人は講座で知り合って以来、共に前進してきた仲間が採用されたことを知りました。少し前を進んでいたその仲間から話を聞いたとき、以前の自分なら「彼に比べ、なんてオレはだめなんだ」と思ってしまいそうなところ、カッコつけず、素直に喜べた自分がうれしかったといいます。「もしかしたら、オレもいけるかも」と、より前向きな気持ちになったそうです。

 

それから2ヵ月後、ご本人はアルバイトと並行して応募していた企業に正社員として採用されました。地元企業での採用です。何度も履歴書を作り、面接を受けては不採用となり、苦しい心理状況にもなりました。会話のやり取りが戻った家族の理解と応援や、キャリア相談で就活のやり方を工夫していったなどの要因もありますが、何より、ご本人がめげずに応募活動を続けた成果でした。

  

ご本人が就職して数年以上の月日が経ちます。ご本人は、いまも同じ企業に勤めています。小さな役職もつき、仕事の案件を任されるようにまで成長しました。時折、どうにもくじけそうになると、スタッフとの面談を求めてくる時期もありましたが、その回数も次第に減り、現在は自身の人生を主体的に歩んでいるようです。

  

久しぶりに、かわぐちサポステを訪れてくれたご本人は、笑いながら、次のように言いました。

 

「新しいことに挑戦するときなど、今になっても不安はつきまとうものですね。仕事の苦労も絶えませんし」、「でも、家にいたあのころの気持ちに比べれば、なんてことないんですよね」

  

ご本人は、「復帰までの3つのルール」を、今も人生訓のように大事にしていると教えてくれました。その日、初めての企業を訪問する予定があり、笑顔で「それじゃ、行ってきます」と一礼して去っていく様子に、ご本人が順調であることが伺い知れました。深夜にコンビニエンスストアへ行っていたころの生活から一転、毎日が忙しそうでした。

 

今、仕事に就くことに悩んでいる方へ。かわぐちサポステで、はじめの一歩を踏み出してみませんか。

 

 

  

 

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