かわぐち若者サポートステーション

2015年11月19日

体験談:もとは「日々の小さな後ろめたさ」(前編)

かわぐちサポステを利用した後、仕事に就いたご本人が来所してくれたことがありました。初来所のころとは、風貌も姿勢も口調も様変わりし、まさに働く社会人といった様子でした。

 

今回は、そんなご本人が、かわぐちサポステにつながるまで、就労にいたるまでの経緯をご紹介したいと思います。(ご本人に掲載の許可をいただいています)

 

当時、20代半ばだったご本人は、初めて正社員として勤めた職場での激務とストレスがきっかけで仕事を辞めました。退職後しばらくは、働いているときに持てなかった「自由で気ままな時間」を楽しんだそうです。

 

自宅でネットサーフィンをしたり、好きな音楽を聴いたりと、のんびりしました。気の向くままに過ごす一日は、終わるのがとても早かったといいます。「仕事を辞めたこと」について、友人などへ説明するのを面倒だと思ったため、自分から連絡をとることはありませんでした。

 

時間の制約がなく、好きなことをしているうちに、次第に夜更かしをするようになり、ついには、昼夜逆転の生活となりました。人に会う機会が少なくなり、入浴の必要性を感じないようにもなり、その回数は、2日に1回が3日に1回に、と徐々に減っていきました。

 

他者との接触が少なくなるに従って、とうぜん会話をする頻度も減り、家族以外の人との会話は、数日に一度、コンビニエンスストアでタバコの銘柄を伝えるだけだったといいます。

 

そんなある日、店でタバコを頼もうとしたところ、声がかすれて出ませんでした。店員に聞きなおされ、もう一度伝えたときには、いつもどおりの声が出ました。

 

普通なら気にしないような些細な出来事が、ご本人にショックを与えました。店員に変に思われたのではないか、周りの人に笑われたのではないか、と思い、逃げるように帰宅したそうです。 

 

それ以来、ご本人は、どんどん他者との関わりを避けるようになり、家族との会話も減りました。できる限り、自室から出ない生活を送り、タバコが切れたときだけ、「仕方なく」コンビニエンスストアに行ったそうです。外出は人目が少ない真夜中に限定されました。当時を振り返って、ご本人は、このように言いました。

 

「人間、ずっと言葉を発っしないと、本当に声がでなくなるんです」、「あのときは、他者がすべて“敵”のようにに見えました。いま思えば、そんなことはなかったんですが」

 

店員や道端ですれ違う人はもちろん、やさしく声をかけてくれる家族や友人でさえも“敵”のようにに見えたそうです。最初は、自分の意思で外出しなかったはずが、気がついたら外出することができなくなっていた。ご本人は、こうも言っていました。

 

「知らないうちに、小さな後ろめたさが積み重なっていったんだと思います。もとはといえば、自分のせいですが…」

 

ご本人は、学生時代まで活動的なタイプだったそうです。なにがきっかけで社会的ブランクが生まれてしまうかわからないのです。

 

それから数年間、ご本人は他者との間に分厚い壁をつくりました。後ろめたさを感じる気持ちは強くなり、「このままではいけない」という気持ちにさいなまれました。生活改善をしようとしてもうまくいかず、長い一日を過ごし、あたりが明るくなるたびに「また朝がきた…」と思いながら、布団にもぐりこむ毎日だったそうです。

 

しかし、そんなご本人が変わるきっかけがありました。それは、生まれてきた甥の存在だったといいます。近所に住む姉が、甥を連れてくるときは、リビングに顔を出しました。ご本人は、甥をとてもかわいがっていたそうです。

 

ある日、歩けるようになったばかりの甥を、姉と母が「○○ちゃん、こっちおいで」と、かわるがわる声をかけていました。その姿を傍らで見ながら、ご本人は、「自分が歩けるようになったときも、母は、こんなにうれしそうな顔で自分の名前を呼んでいたんだろうか」と思い、申し訳ない気持ちでいっぱいになったといいます。

 

そのときの想いが、ご本人を突き動かしたそうです。以前、母が持ってきたサポステのチラシに目を通してみる気持ちが生まれたのです。

 

次回、来月のブログでは、ご本人がサポステ利用を開始して就労が決定するまでの話をお伝えしたいと思います。

 

  

 

 

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※かわぐちサポステは、埼玉県事業の若者自立支援センター埼玉に併設されているため、

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