自立応援プラットフォーム『よこはま東部ユースプラザ』

よこはま東部ユースプラザ

よこはま東部ユースプラザは、若者一人ひとりの自立を、さまざまな支援機関とともにサポートします。

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〒230-0051 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央3-23-8
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休館日:日・祝日 毎月第3月曜日 年末年始

お知らせ

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2015年12月26日

2016年1月プログラムをアップしました!

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2015年12月23日

~若者の現状を知る、関心を持つ~ 7回連続無料セミナー 第7回「若者達への関わり方」 開催レポート

12月12日、連続セミナーの最終回となる第7回を開催し、27名の方が参加。

前半は、「若者たちとのかかわり方ーどのように関わるか?」と題し、神奈川大学教授として教鞭を取られ、また自身も臨床心理士として多数の若者や子供の支援に関わられた経験のある杉山崇氏より、お話をいただいた。

杉山氏は、まず海外の孤児院に預けられた子供たちの悲しげであったり、焦点の定まらない表情の写真と、その子供たちが里親の基で暮らすようになった後の穏やかな、そして落ち着いた表情となった写真を紹介された。そしてそれらの写真の比較を基に、周囲の大人との関わりが子どもの表情や心に与える影響からお話を始められた。

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その中で、人間は生物というだけでなく、コミュニケーションを通じて人との関わりを必要とする社会的な存在であること。そして紹介した写真は、子どもたちにとっていかに大人が彼らに手を掛けているか。それを子どもたち自身が感じ取れていることがいかに大切であるかを表したものであるとの説明がなされた。

またこうした関わりを得られないことから来る、自分を嫌になり、そして他人との関わりすらも嫌になる感情を「被拒絶感」という言葉で表現をされ、日本人の小学生1,000人を対象とした調査でも、10~20人に一人はこの被拒絶感を抱いていること。こうした感情は脳の偏桃体という人の感情を司る部位から沸き起こるもので、そのエネルギーは大きく、被拒絶感を持った子供は嫌な感情に巻き込まれてしまい、コミュニケーションが取り辛くなってしまうこと。ただ、それでも付き合おうという大人がいないと、子供はさらに被拒絶感を強めてしまうことなどが、脳の機能のお話も交えながら説明がなされた。

続いて、こうした被拒絶感に対し、当人の被受容感を高めることが必要との説明がなされた。被受容感とは、自分が好意的に周囲に受け入れられていると感じられ、心が穏やかになる感情を表す言葉である。そしてこの被受容感を当人にもたらすために、周囲の人間は、彼らが好む話題、興味や関心のある話題に対して好意的に共感することが大事だとし、例えば子どもの文化に興味を持ち、彼らから教えてもらう姿勢を見せることも、被受容感を育む方法の一つであるとの説明がなされた。

そしてまとめとして、被拒絶感の高い子どもたちは、人間が脳の中に本能として持つ「他人を警戒する本能」と、「他人と近づきたい本能」が共に強く、その両方を行ったり来たりしていることを彼らの周囲にいる支援者は知っておく必要性があり、彼らの関心や興味を引くこと上手を使いながら、彼らとの距離と関係を取っていくことが支援を行う上で重要であるとのお話がなされた。

杉山氏のお話に対しては、会場からは、今回の話はどの年齢までの人間が対象なのかとの質問がなされた。

これに対し杉山氏は、これは全ての世代の人に共通の話であり、なぜなら子どもの心の上に、経験や知識が積み重なって若者や大人の心が作られていること。それゆえにその人が持つ「子どもの心」が何を訴えているかに目を向けることもとても大事であるとの説明がなされた。

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後半は、よこはま東部ユースプラザのスタッフに杉山氏も加わっていただき、よこはま東部ユースプラザが若者に提供する「居場所」に関わるメンバーの視点から、これから若者支援に関わりを持っていただきたい方々に向けて、若者への関わり方についての座談会を開催した。

座談会に参加したのは、社会人をしながらインターン(ボランティア)として居場所のスタッフを二年ほど続けられている海老塚氏。社会人の時に始めた当プラザへのインターンを経てプラザを運営する認定NPO法人育て上げネットの正規の職員となった平松氏。そして臨床心理士の資格を持つ専門職として、また当プラザスタッフを代表して登壇した鎌田氏の三人である。

個々に自己紹介をしていただき、若者支援に関わるきっかけ、その中で自身が感じたことや自分自身の変化。また地域において若者を支援することを自身がどのように感じているかなどをお話ししてもらい、それに杉山氏がコメントや質問を入れていただく形で座談会は進められた。

その中で、各スタッフが触れた印象的なエピソードをそれぞれ紹介させていただくと、まず海老塚氏からは、社会人としての生活と並行して行っている活動でもあるため、とにかく自分自身が無理をしないことを大事にし、月二回までの参加を自分のルールとして決めていること。また海老塚氏は生まれも地元の鶴見区であるが、その地元(地域)で地域に暮らす若者の支援に関わることにやりにくさは感じておらず、むしろ楽しくやらせてもらっていることなどを参加者に向けて語られた。

また平松氏は、自分の若者への関わり方として、まず自分が若者と関わることを楽しんでおり、それを大事にしていること。そしてそれまで距離があると感じていた若者とプラザのイベントで外出をした際、自分が降りるべきバス停に気付いていなかったことをきっかけに、ある若者と会話をするきっかけが生まれた話などもされ、若者たちと過ごす一つ一つの時間を常に大切にしていることなどをお話された。

そして鎌田氏は、登壇したスタッフの中では唯一臨床心理士という専門的な資格を持つ存在ではあったが、そうした資格を持つことについて、若者との直接の関わりの中では意識することがなく、むしろ資格は関係ないのではないかと感じていること。また当プラザが提供する居場所事業についても、居場所で行う一つ一つの活動にも意味があり、例えば若者達の自主的な活動で料理を楽しむクッキングサークルにしても、集う若者達の中には、食材を買い物することや、調理すること自体経験を持たない者がいること。そうした若者達が買い物や調理の経験を行うことそのものが非常に大切だと思っていること。なぜなら、それらがすぐに彼らの就労につながるわけではないが、生きていくためのスキルを身に付けるきっかけとなり、経験を通し成長があること等の話を紹介していただいた。

また杉山氏からは、スタッフのこうした発言を踏まえて、支援者としての活動には若者への「関わり」と「観察」の二つの視点が欠かせないが、一方で、両方を同時に行うことは人間には出来ない面もあること。そのことを支援に関わろうとする者は知っておく必要性があるとの説明がなされた。

そしてそのような難しさがある中でも、支援者自身ががまず活動を楽しむ気持ちを持ちつつ、若者と関わっていってほしいとのお話があり、それは座談会に参加した各スタッフも大きく賛同するものであった。

最終回は、参加者こそ多くは無かったものの、実際に支援に関わる専門家、そしてスタッフからの多様な意見やコメントに触れるきっかけとなり、一つ一つのコメントに大きく頷いたり、熱心にメモなどを取る姿などが見られた。

【参加者コメント】

・これからも若者の現状を知ってもらう機会をつくっていってほしいです。より多くの方に参加していただけたらと思います
・これからもこのような講座が開かれ、社会に困っている若者を受け入れてもらえるようになると嬉しいです
・杉山さんのお話も「心理」という視点からも理解できました。東プラのスタッフの方たちにも共感しました
・パネルディスカッションも大変勉強になりました。

2015年12月06日

~若者の現状を知る、関心を持つ~ 7回連続無料セミナー 第6回「家族を支えるには」 開催レポート

第6回セミナーは、36名が参加。
第一部は、若者の支援を行う株式会社を設立され、よこはま東部ユースプラザでの居場所の支援にも関わりを続けられている株式会社シェアするココロの石井正宏氏より「困難な若者を抱える家族の現状と課題」と題してお話をいただいた。

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石井氏のお話は引きこもりの現状に関するデータの紹介から始まった。そのデータを踏まえた上で、支援には「先天的想像力」と「後天的創造力」が必要であり、先天的とは思いやりや気遣いなど人が生まれながらに持っているもの。一方の後天的とは、データや経験、ネットワークといった若者の支援に必要なスキルやツールのことであり、この二つの想像力の掛け合わせが「支援力」となり、当事者の若者やその家族に響く声掛けの基になるとの説明がなされた。

また保護者は引きこもり中の若者に会える唯一の存在であること。その親をエンパワーメントすることを通じて若者の自立を促していくことが重要であること。そして親子のパワーバランスを組み立て直すことが支援においては必要であり、保護者は支援者にHOW(どうやって、どうして)などの解決策を求めてくるが、支援者はWHY(なぜ)、すなわち個々の若者がなぜ引きこもりなどの状態になるのかを考え、それに対して向き合うことが重要であることなどをお話された。

そして保護者の支援においては

・親にしか出来ない、支援者にしか出来ないことがそれぞれある
・親と子の絆は強くて固い
・特定の出来事を原因とせず、子育てを反省しない

の三つの原則があり、支援者は保護者を責めても何も変わらないことを自覚し、保護者に対し好意的な関心を持ち、保護者を肯定することが大切であることを繰り返し述べられた。

さらに引きこもり中の若者については

・考え中モード
・お手上げモード
・ぼけっとモード

の三つの状態があり、どれも見た目が同じに見えるため保護者も子供の状態を間違えて捉えやすいが、実際には子どもはこのモードを循環していること。さらに各パターンでの親の態度としては

・考え中のときは、親も待つ
・お手上げのときは、提案を行う
・ぼけっとのときは、介入する

が若者にはそれぞれ有効であるとの説明がなされた。

石井氏は最後に、支援には想像力、特に後天的想像力が求められること。そして親だから出来ることを親自身が知り、それを基に保護者も、そして支援者も支援を考えていくことの重要性を重ねて強調された。

そして第二部は、認定NPO法人育て上げネットにて若者支援を続けてこられ、家族支援の経験も豊富な森裕子氏より「家族をどう支えるか」をテーマにお話をいただいた。

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森氏は、石井氏のお話を踏まえ、より実践的な保護者への関わり方についてお話をされた。
例えば支援者からのエンパワーメントとしては、相談をしてきた保護者に出来ていることがあれば、それしっかりと誉め、きちんと保護者に言葉にして返すこと。これが一番大切であるというお話を冒頭にされた。

そして森氏はお話の中で、「家族は揺れる」ものであること。その揺れを止めるために、保護者に安心してもらうことが大切であること。支援者はそのために家族、そして保護者に支援の具体策や見通しを伝えるなどの対応を通じて家族をサポートすることを、「緩める」という表現を使いながら、参加者に向けてお話をされた。

家族、保護者の支援においては、「避難」、「否定」、「批判」が禁断の3Hであること。
「でも」、「だって」、「どうせ」という必然の3Dという言葉を用いながら若者がやる気を失い、周囲から認められないと自ら自分を追い込んでいくプロセスについて説明をされた。そして支援者のエンパワーメントを通じてこの渦中にある保護者を支え、若者に対しても様々なアプローチがあることの重要性を伝えられていた。

また家族支援においてはジェノグラム(家族関係図)を用いることで世代にまたがる家族の関係を図式化し、困難を抱えた若者を「個」としてとらえるのではなく、家族関係の力学から見ていく視点についても紹介をされた。

最期に森氏が強調されていたのも、石井氏と同じく、支援者は保護者のサポートを行うことを意識して欲しいという点であった。

その後は石井氏と森氏が各々のお話の感想を述べられ、会場からの質疑応答が行われた。
会場からは、保護者にもぼけっとモードした見えない状態に対してどのようにその状態を評価するのか。また、40歳を超えて引きこもり状態にある人の支援について質問がなされた。
前者については、保護者からの聞き取りや、保護者の表情や対応なども見ながら状況の仮定を行うこと。時には保護者から若者への働きかけを依頼し、その反応の聞き取りをするなど、様々な情報の積み重ねから判断していくこと。後者については、40代の支援は大切で、わずかではあるが支援の窓口も存在すること。一方で、親自身も高齢化しており、対応として難しい面もあることなどが、石井氏、森氏から素直に語られた。

質疑応答においても積極的な質問がなされ、保護者への関わり方についての関心が高いことを会場の参加者からも感じられる回となった。

参加者の声:
・引きこもりの若者を支えるために居場所の支援が重要であるということが良く分かった
・具体的に保護者へどの様な対応が良いのかを聞けて良かった
・引きこもりの人の現状を全く知らなかったので、とてもびっくりした
・保護者への関わり方の事例が聞きたかった

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