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コミックエッセイ発刊記念

2度の就活機会を逃してしまった長男を見て、[結]にSOSのサインを出した。「後編」

[結]に通いはじめた陽子さん(仮名)は相談員と面談しながら、少しずつ前向きになっていくことができた。サポステに通う裕司くん(仮名)とともに受けたある日の面談から、祐司くんの運命が拓けていくことになった。

見方を変えればマイナスがプラスに変わることを
[結]が教えてくれた。

[結]の茶話会(同じ悩みを持つ母親同士の懇親会)は、私の仕事の休みが合わなくて参加できませんでしたので、月に一度、森さん、森本さんと面談することになりました。
来るときはめちゃくちゃ落ち込んでいるのに、帰るときにはグッと気分がよくなって前向きになれるんですよ。私はそれにどれだけ助けられたかわかりません。

私が“黒”だと思い込んでいたものを、「見方を変えれば“白”じゃない?」と教えてくれるんです。
たとえば、「うちの子はオタク系の友だちしかいない」と私が言えば、「友だちがたくさんいるなんて社交的じゃないですか」と言ってくれる。
私が「うちの子は中学生か高校生にしか見えない。子どもっぽい」と言うと、「会社に入ると目上の人にかわいがられるタイプ」と返してくれる。
私が否定的なことを言っても、必ずそれをポジティブに、肯定的に返してくれるんです。

それは単なる励ましではないし、おべっかを使われているわけでもなくて、視野が狭くなっていた私に新しいモノの見方を教えてくれているんだと思うんですね。
「息子が大学を卒業しても就職していない」ということは異常事態だと思っていた私も、「人生はいくらでもやり直しができる」と思えるようになっていきました。

ある日の親子面談をきっかけに大学院進学。
「学校に行けば新卒就活ができる!」

サポステに行きはじめた息子と[結]に行きはじめた私が、カウンセラーさんの薦めで二人一緒に面談を受けることになったのは、長男が大学を卒業した年の秋ごろでした。

そのころ、息子はもう少し勉強したいと思うようになっていたようです。そんなことをカウンセラーさんに相談したら、「IT系の大学院はどうかな?」とその場で調べてくれたんです。
すると、タイミングよく、ちょうどその日に説明会だという大学院がありました。
「学校に行けば卒業時に新卒で就職活動できる」というカウンセラーさんの後押しもあって、息子はすぐに面談室を飛び出していきました(笑)。自分の興味があることにはすごく行動的なんです(笑)。

その大学院での説明会がすごくよかったようで、次の年の4月から、都内の大学院に通うようになりました。

もし、今度も就活できなかったらどうしよう?
[結]に相談しながら、息子を見守り続けた。

大学院では2年目から就職活動をします。私は「また就活できないんじゃないか」と不安でした。だって、1年の3月になっても何もやっていない様子だったんです。

[結]の面談で「大学院のほうに相談してみたらどうだろう」という話になり、さっそく問い合わせてみました。
そうしたら、ひどく面倒見のいい学校で、「インターンこそしなかったがグループ発表も積極的。就労支援窓口にも何回もやってきていて説明会にも参加表明しているし、エントリーシートも添削している」と返事をいただいたんです。それでちょっと安心できました。

最初のうちこそ、なかなか通らないようだったんですが、二次、三次と通るところが出てきて、本人も安心したようです。
考えてみれば、大学時代に受けた最初の面接がひどかったようなんですね。それで本人も自信をなくしてしまった。「僕はコミュニケーションに問題があるのかもしれない」と言っていたほどですから。
でも、自分がおかしかったのではなくて、その最初の面接が目茶苦茶だったということが徐々にわかってきたようでした。
結果的には内定を2ついただくことができました。来年の4月から、彼は社会人になります。

息子が就職後も[結]に通い続けたい。
まず自分の荷物を降ろそう。それが子どもにも伝わる。

息子は就職が決まりましたけど、私はまだ[結]に通っているんです(笑)。
また、「会社に行かない」と言い出したりしたらどうしよう……。
また息子の調子が悪くなるのではないかという不安がどうしても払拭できないんです。

私はきっとまた、うろたえてしまいます。
今は卒業を待つだけなので、私もいい気分でいられるんですが、4月1日からは、毎日帰ってくる息子の顔色をうかがって、右往左往しまうでしょうね。

私はこれまで、「学校を卒業すれば就職するもの」で、そうならなければ、人生はどんどん落ちていくだけだと思い込んでいました。でも、森さん、森本さんとお話しをするようになって、「こうすれば、また道はつながる」「こういう道もある」ということを教えてもらい、視野が広がった気がしています。だから、これからもまだまだいろいろなことを教えてもらいたいと思っています。

はじめて[結]と出会ったとき、私は少しだけホッとすることができました。
とにかくまずは自分の荷物を降ろしたかったんですね。でも、自分が精神的に安定すると、それが子どもにも伝わるということがよくわかりました。

私はたまたま[結]とフィーリングがあったけれど、きっとどこかに自分に合うところが見つかるはずだと思います。だから、今、困っているお母さん方には、とにかくSOSを発信できるところを探してほしいなと思います。

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