トピックス 若年無業者の実態

2015年03月10日

若年無業者とは?ニートとは?
~「就労困難な若者」とは誰か~


若年無業者は「就職を希望しているか」と「就職活動を行っているか」の2つの軸で、3つの類型に分けることができる。
若年無業者が就職にいたる道筋は、「就職希望を表明していない(非希望型)」→「就職希望はあるもが求職活動は行っていない(非求職型)」→「求職活動を行っている(求職型)」というプロセスになる。各類型ごとの若者の特徴把握とそれを元にした支援が必要である。

本トピックスでは、NPO法人育て上げネットが実施した調査研究『若年無業者白書~その実態と社会経済構造分析~』を基に、無業の若者の実態を紹介する。

就労困難な若者とはどのような若者なのかを理解するうえで、内閣府「青少年の就労に関する研究会」(2004年)の報告での定義づけを参照したい。
報告では、若年無業者を下記のように定義付けている。
(1)高校や大学などの学校及び予備校・専修学校などに通学していない
(2)配偶者のいない独身者である
(3)ふだん収入を伴う仕事をしていない15 歳以上34 歳以下の個人

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NPO法人育て上げネットが実施した調査研究『若年無業者白書』では、無業者をさらに
・就業希望を表明しかつ求職活動を行っている「求職型」
・就業希望は表明していながら求職活動は行っていない「非求職型」
・就職希望を表明していない「非希望型」
に分類し、調査分析を実施した。

「求職型」は、総務省統計局「労働力調査」で調査されている完全失業者に類似した概念である。一方、いわゆる「ニート(通学も仕事もしておらず職業訓練も受けていない人々)」とは、「非求職型」及び「非希望型」の無業者として、通常理解されていると思われる。上記の定義に準ずれば、「非求職型」と「非希望型」の若者こそが「就労困難な若者」として、支援対象となっているようだ。

『若年無業者白書』で集まった若年無業者のデータ数は2,333件となっており、上記で示した3類型より、求職型が733人(42%)、非求職型が636人(37%)、非希望型が367人(21%)となった。

3類型を考えると、非希望型〜非求職型〜求職型〜就業者という就業までの大まかなプロセスがおぼろげに見えてくる。『若年無業者白書』では、3類型のそれぞれがどんな対象者であるかということを明らかにするとともに、「非求職型」「非希望型」に注目した。彼らについて、現状や経歴、支援期間に来所した目的などを明らかにすることで、若者無業者への支援に求められていることを考察していきたい。

執筆:育て上げリサーチ
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