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子どもの将来相談窓口「結」

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2016年08月09日

【前編】母親の会「結」レポート:大学中退・親子で踏み出す一歩


 今回は結を利用した方からのお話をレポートにまとめました。保護者の視点から、お子さんがどのように変化をしたのか、結を利用するに至った経緯をまとめています。今回は大学進学が思わぬつまずきとなった19歳のお子さんを持つお母さんのお話です。

 

「手がかからない息子」

 子どものころから、いわゆる「良い子」でした。学校で怒られることもないし、ケンカして帰ってくることなんかもちろんありません。特別、得意なことがあったわけでもないけれど、成績が悪くなったこともありません。「手のかからない息子」だったんです。大学受験のときは「将来、何になりたいかわからない」と話していました。でも、行きたい学校がなかったり、将来の夢がわからないのは高校生ならよくあることですよね?だから、いわゆる有名な大学で現役で入れそうな学校を勧めました。本人もそのアドバイス通りの大学に進学しました。

 

最初の「つまずき」

 大学が家から離れていたこともあり、4月に入ると寮生活が始まりました。友達を作ろうと思っていた矢先、既に新入生の中でグループができていたようなんです。どうやら最近は、入学前にSNSを使って寮に入る者同士が入学前に関係性ができていることも多いようなんです。そのうち、なんとなくはじかれているように感じていったそうです。

 学校には友達を作ろうとしたけれど新しい環境に慣れていくのに必死で、気付いたころには既にできている輪に入ることができなくなっていたと後になって話してくれました。教室に入るとなんだか自分のことが笑われているようにも感じるようになり、教室に入れなくなったとも言っていました。

 

身体が伝える、危険信号

 ゴールデンウィークに息子が実家に帰ってきました。少し疲れている様子の息子だったので「大学どうなの?」と聞くと「友達ができなくて大変」と少し愚痴をこぼしていました。そのときは深刻に捉えおらず「まだ入学したばかり、頑張って」と激励したんです。

 しかし、息子は大学に戻る日が近づくにつれ表情が暗くなっていき、熱を出してしまいました。寮には戻らず休むことにしたものの、このまま大学をやめてしまうのではないかと不安になった私は「大丈夫なの?」と何度も聞きました。そのとき息子が「なんとか戻らないと」と必死だったのを覚えています。

 しばらくして寮生活に戻ったのですが、朝起きて大学に行く時間になると激しい動悸に襲われるようになってしまいました。寮から連絡があり実家に帰ることになりました。

 実家に帰った途端に息子は激しく泣きだしました。そのまま、2週間ほど休養したあと、「大学を受け直したい」と相談してきたんです。私は「大学中退」が本人のマイナスになると不安になり、叱咤激励し、なんとか大学に戻るように説得しましたが息子はひきこもるようになってしまいました。

 親としてはもうどうしたらいいか分からなくなり、腫物を触るように本人を見守るしかできませんでした。6ヶ月経っても、いつもボーとしていて、何事にもやる気がない様子の息子に病院に行くことを促しても「行く気はない」と断られてしまう日々が続きました...

 

大学生活のスタートがつまずきとなってしまった息子をどうしたらいいのか、お母さんは、母親の会「結」に相談します。相談を始めたこの家族はどのように変化していったのか。お母さんを揺り動かした相談員のアドバイスとは…?

後編はこちら

 


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